京セラ、KDDIを産んだ経営の哲学を知る
文庫本、定価648円です。(日本経済新聞出版社、日経ビジネス人文庫)
コロナの影響で子供のプール中の見学が‘NGが不可になりましたのでその待ち時間や妊婦健診の呼ばれ待ちの間にちょっとずーつ読みました。間接部門人員としては抑えておくべき一冊なのでは、というのがきっかけです。
稲盛和夫さんは、日本の実業家で京セラおよび`KDDIの祖にあたる方です。彼のルーツは九州、鹿児島にあり、学問としては理系の化学系をおさめされ、技術系職種から仕事をスタートしたそうです。その後、当時の会社のメンバーとで京セラの原形となる企業をスタートさせました。
彼の一貫した哲学と思想に基づいた経営手法が、その成功の一因であることは言うまでもありません。彼自身の興した会社の成功のみならず、ほかの企業の再生にも取り組み、成功させてきました。経済活動の範疇におさまらず、慈善や啓蒙にもあたり、寄付寄贈を行いました。彼は現代日本経済人では間違いなく最高の偉人の一人に数えられると考えます。
Kindle版の方が若干オトクです。
コストセンター会計と
平易な表現で、素直な言葉で読みやすかったです。就活の時に、最近読んだ本は何ですかみたいな、謎の質問とかありましたけど、こういう本が無難なアンサーなんじゃないでしょうか。茸とか白犬ではNGかもですね。
SAP使用経験者で、会計、経理系機能を製造業で触ったことがあります。アメーバはコストセンターのようだと感じました。
しかし、この本で述べられているように、各センターのリーダーおよび構成員が自主性と主体性をもって業務や管理に取り組んでいるかといわれるとそうではない場合もあると思ってしまうのが正直なところです。社員一人一人が自らが主役という自負を持って動く、その自負を与える作業こそが難しいと思います。正規雇用においても雇用の流動性が高まり、現実的には非正規雇用頼みの運営下においては、どのような伝え方、意識の土壌づくりをしていけば主体性の強い組織になるかは考えるべき問題です。
ひとつの会計単位であるコストセンターとアメーバは似ている考え方だとは感じたものの、おそらく、コストセンターというのはアメーバより大きい単位ですし、コストセンターは大きさにかなりバラツキがあるので、巨大なコストセンターは細分化して考えた方がよいのです。
作業内容か工程の段階で同じコストセンターの中で部門にわかれていましたので、それをもとに考えるのがよいはずです。
そのうえで部門間で付加価値や売り上げ、原価の概念を用いるものなるほどと思ったところです。ぼく売る人,あなた作る人になっていませんか?ほかの部門のことは知らない、もしくは、ほかの部門のせいだからこの数字は仕方ない、という態度の蔓延は恐ろしいことであり、起こり得ることです。
部門が部門に責任を持たなくなってしまうんですよね。
もはやこの本に書いてあることってそれはそうだうよね的な内容でもあるんです、至極当然というか。でも実際はできていないし、真っ当だからこそいわれて実現に向けて取り組むことができるのかもしれません。その内容を発信していくこと、発信の5W1Hが課題です。
この本は管理会計の勉強の一助になるかという思いがあって手にしたのですが、内容は具体的なリーダーシップ論でもあるかと思うのですよ。内容は経験なさったことがふんだんに記載されていていて楽しめました。
文庫本は250ページほど厚み1センチ強です。漫画もあります。
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